不幸アピール大好き女たちのネガティブ物語。AVの世界に足を踏み入れたばかりに周囲を不幸にしてしまった人たちの悲しさ全開の話です。13点(100点満点)
最低。のあらすじ
安定志向だった34歳の主婦・美穂(森口彩乃)は、人生を変えることができるのではないかと考え、AVに出演しようとする。17歳のあやこ(山田愛奈)は母の孝子(高岡早紀)が元AV女優だと聞き、真相を尋ねる。25歳の人気AV女優・彩乃(佐々木心音)はある日、突然やってきた母親の泉美(渡辺真起子)の制止を振り切って仕事に出掛け、撮影中に意識を失う。
シネマトゥデイより
最低。の感想
AV女優紗倉まなが書いた小説の実写化で、長くてつまらない映画を撮ることを得意とする「64-ロクヨン」や「楽園」でお馴染みの瀬々敬久監督による、偏見まみれの群像劇。
AV女優は不幸だという前提でお話が進んでいき、AV女優本人と家族、旦那、恋人などの困惑と恥じらいと苦悩を描いていきます。
映像も綺麗だし、演技も一定のレベルには達していて映画と呼べる代物ではあります。しかし3人のヒロインのいずれのエピソードもありきたりで、退屈極まりないです。
人物描写も薄々で誰が何を考えているのかが全く伝わってきません。伝ってくることはただ一つ、みんな心に何かを抱えているってことぐらいで、親や友人にAVのことがばれて登場人物が背徳感に苦しむ点ばかりにフォーカスしていて、幸せな人が一人も出てこないので陰鬱な気持ちになりました。
騙されて、無理やりこの世界に入れられたという話なら不幸路線でもいいんですが、少なくともこの映画の登場人物はみんな自分の意思で始めたんですよね。それぞれ事情も違う人たちなのにAVに対する考えや思いが画一的なんですよ。。
じゃあ、なにかい。AV女優の中には幸せな奴は一人もいないのかよって言いたくなります。お金持ちになって、名声を得て、もてはやされて、人生最高!って思ってる奴も中にはいるでしょ。そっち側も描けよ。
これでヌードシーンがなかったら正真正銘のウンコ映画でしたね。ただ、ヌードシーンはあるものの終始雰囲気が暗いせいでせっかくのベッドシーンがエロくないんですよ。
だって散々「この子たちは不幸な子たちなんですよー、嫌々セックスしてますよー」っていうフリをしちゃってるから興奮するわけないじゃん。視聴者に罪悪感持たせてどうするんだよ。
AV女優役の子たちはそれでもヌードも厭わず頑張って濡れ場に挑戦していました。気になったのは高岡早紀が元AV女優という役柄で出ているくせになぜか彼女だけ脱がなかったことです。
ギャラが高かったんでしょうかね。でもこのキャストの中で誰の絡みが見たいか言ったら高岡早紀ですよね? 高岡早紀が元AV女優役で映画出るって聞いたらファンは何を期待するのか監督はちゃんと考えたのかなぁ。