タイトルと内容が全く一致していない、ふざけんなこの野郎!な作品で、永作博美のベッドシーン目当てで見たら痛い目に遭う美人局映画。
人のセックスを笑うなのあらすじ
美術学校に通う19歳のみるめ(松山ケンイチ)は、39歳のリトグラフの非常勤講師ユリ(永作博美)と恋に落ちる。友人の堂本(忍成修吾)に問いただされ、みるめは彼女との仲をうれしそうに告白するが、いつもつるんでいる仲間のえんちゃん(蒼井優)の顔は曇ったままだ。だが、実はユリが既婚者であることが分かり、みるめは混乱する。
シネマトゥディより
人のセックスを笑うなの感想
井口奈己という監督の作品らしいですが、この監督はこの映画を通じて新しいジャンルを確立しました。
そのジャンルとはほかでもなく「美人局(つつもたせ)」、あるいは「ハニートラップ」映画です。
どちらもセックスを罠にして男を騙す、という最低の詐欺行為ですが、この映画もそれに当たります。なんですか「人のセックスを笑うな」っていうタイトルは? どこにもセックスも笑いもないじゃないかよ。
このタイトルが許されるなら、「4歳のみっちゃんの初めてお使い」とかいうタイトルで、ホラー映画にしてもいいってことになりますよ。あるいは「ニャンニャン物語」で、SM映画ってことにもなりかねませんよ。
あ、それはあながち間違ってないか。それはいいとしてとにかくふざけんな、なんですよ。タイトルはそもそも一番その作品の内容を表す「顔」でなくてはならないのにこんなことってありますか?
この映画の世界観の全てに嫌悪感を覚えます。「美大」、「年配の女と大学生の恋」、「恋や結婚に対して自由奔放な美人」。これだけでいかにも「お洒落」な女に憧れを抱いている、ブスな女たちが喜びそうな内容であることがピンとくるはずです。
一番いけないのは長ったらしい「間」ですね。確かにひきつけられる「間」、素敵な「間」を効果的に使っている映画は存在します。
でもこの映画の場合は全く逆効果で、ただ遅いんですよ。散々「間」を使ってワンシーンを引き伸ばしているくせに、視聴者が待ってましたとばかりのヌードシーンやベッドシーンは案外スッと終わっていくという最低な演出でしたね。これでキスやセックスの場面も時間をかけて見せていくなら、それまでの「間」が納得がいくんですけどね。
それにしても非常勤講師が未成年の生徒に手を出したのにコソコソもせずあんなに平然としていられるなんてユリは相当な悪女ですね。
それならそうと、もっと美大生の男子生徒を片っ端からやっちゃうぐらいの悪女になってもらいたかったですね。そのうちそれが校長先生にばれて、「美大の講師だからって、お前はどの筆を触ってんだよ」とか言われたら完璧でした。あっ、失礼しました。